【復刻版 さきたま新聞ブログ】私の早春賦

2008年3月3日
熊谷名物☆名物に美味いものあり☆
 自分が好きなおいしいものは、おのずと人にもあげたくなる。そして、遠くの人にはなおのこと、「熊谷の顔」をすすめ、喜んで貰いたいし、その蘊蓄をひけらかしたくなる。昨日、ニシダ飴と中家堂へ行った。
○ニジタ飴……飴がこんな大瓶に入っていると、蜂蜜の好きなプーさんではないけれど、色とりどりの飴をみているだけでほんわか幸せな心持ちになる。なんだか昔聴いた「ウィニーザプー」の曲を思い出してしまった。
 甘いものはどうして、人の心を慰めてくれるのだろう。そして、五家宝。その名の由来は諸説入り乱れ、太さも色々、お店もたくさんあるが、ともあれ、五家宝はおいしい。きな粉・砂糖・米の単純な組み合わせのハーモニーなればこそか。
 このお店の最中は、四角くてずっしり重い。口の中で溶けるような薄皮の上品さと中身の粒あんのしっかりした甘さ。私御用達のチョコレート類は息子さんの担当だが、ホワイトデーもよ・ろ・し・く。
○中家堂……久しぶりにお店に入った。老舗中の老舗であり熊谷の表看板である。
 四半世紀昔、こちらの地方へ嫁いで来た当初、何かというといただくお土産は、ここのお菓子のオンパレードだった。すぐに覚えた軍配煎餅・軍配最中。単純なのに一目で心に残る形と、一度食べたら納得の素直な味わいだ。
 羊羹や飴などたくさんの品揃えと目で見て楽しい包装デザイン。化粧箱の中にはお祭の写真や昔の街並がわかる絵図などが入っていて、これもうれしいことの一つだ。
もうすぐ春ですね
先駆けの桜
 熊谷桜……桜ファンクラブの会長である横田さん、その染色工房のお庭をのぞいてきた。
 熊谷桜の花芽が、ほんの少しほころんでいた。寒いところにある木のほうが、わずかな春の気配を感じ取り、季節を先取りしている。暖かいところにある大きな木は、いまだ冬模様であるのに。そう教えて下さって、真っ直ぐにその一番乗りでほころんだ木のもとに道案内していただいた。
 寒さに耐えた木の方が、少しの暖かさに反応して、健気に先駆けの花芽をつける。これって人生哲学! 桜守横田さんの含蓄のある言葉が胸に響いた。

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